大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)1131 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を大阪高等裁判所に差戻す。

理 由

弁護人清瀬一郎上告趣意第一点について。

記録によれば本件公訴事実として公判請求書に記載せられている事実は、論旨摘

示のごとく「被告人等(被告人A、相被告人B、原審相被告人C)は孰れも麻薬取

締者でないのに共謀して昭和二三年一〇月一五日頃神戸市a区b町c丁目附近に於

て販売の目的で麻薬ヘロイン三六、五瓦を所持して居つたものである」ということ

である。ところが原審は、被告人について右公訴にかゝる麻薬の共同所持の事実に

ついては何等の認定と判断を示すことなく、たゞ単に相被告人Bの麻薬譲渡未遂の

幇助をしたものと判示しているのである。しかしながら、かような麻薬の譲渡未遂

の幇助という事実は前記公判請求書に記載されている麻薬の共同所持の事実とは基

本的事実関係において同一性を有するものではないと認めるのが相当である。され

ば原判決は審判の請求を受けた事件につき判決を為さず、却つて審判の請求を受け

ない事件につき判決をした違法があるものといわなければならない。従つて本論旨

は結局その理由があつて原判決はこの点において破毀を免れない。

よつて、その余の上告趣意については説明を省略し、旧刑訴四四七条同四四八条

の二によつて主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 小幡勇三郎関与

昭和二四年一〇月二〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

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裁判官 真 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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